庚申塔物語

駒曳型の三猿

駒曳型の三猿

駒曳型に分類される三猿は、1匹の馬に三猿を配して猿が駒を曳いているものをいう。 この型の3猿を参考までに一覧表に示すと、次のようになる。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる駒曳型の三猿
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1安永7年1778青面金剛笠付型八王子市長房町中郷合掌6手
2天明3年1783青面金剛笠付型八王子市下恩方町辺名合掌6手

これは、青梅を中心とした扇子型に対して桃木型や竹木型と同様に八王子市に分布する。 どちらも台石正面に浮彫りされているが、1と2が同一の絵柄ではない。

1の安永7年塔台石の三猿は、向かって右端の猿が先駆けし、中央の猿が駒の手綱を曳き、 左の1匹の猿が後から棒で馬の尻を叩きながら追いたてている。 この三猿の写真は、『日本石仏図典』の133頁にみられる。

2の天明3年塔台石の三猿は、向かって左端の猿が馬の手綱をとり、中央の猿が馬上に乗り、 馬の後ろを右端の猿が棒で追う構図である。 形式分類では駒曳型であるが、両者は馬と猿の向きが逆になっている。

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