庚申塔物語

三尸の庚申塔

三尸の庚申塔

庚申信仰については、庚申の夜に寝ている間に3匹の虫が体から抜け出して天帝に罪状を告げ、 罪科によって寿命を縮めるために庚申の夜は寝ないで、3匹の虫が体から出ないようにすれば長生きできるという。 ここで言われる「三匹の虫」が「三尸」である。 多摩地方には、2ヵ所で三尸銘を刻む塔がみられる。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる三尸の塔
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1寛延3年1750(文字)柱状型八王子市東浅川町 会館
2寛政6年1794(文字)柱状型小金井市貫井南町4

1の寛延3年塔は、正面に「奉供養庚申塔」とあり、左側面に「諸行無常 是生滅法 生滅々己寂滅爲楽」の偈、 右側面には「悉入幽冥逗中玄離我身 彭侯子 彭常子 命児子」の銘が珍しく、 彭侯子・彭常子・命児子と三尸の名前が記されている。

2の寛政6年塔は、塔正面に「絶三尸罪」の主銘を刻む塔である。

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