庚申塔物語

観音経の庚申塔

観音経の庚申塔

庚申講では念佛や真言を唱えたり、いろいろな形で勤行が行われる。 清瀬の下宿の庚申講では、勤行に観音経を加えたものか、次の塔を造立している。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる観音経の銘
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1宝暦11年1761青面金剛板駒型清瀬市下宿1剣人6手

1の宝暦11年塔は、剣人6手の青面金剛を主尊とする刻像塔で、「奉読誦観音經三万巻成就所」の銘がある。 ここの庚申講は、庚申待で観音經三万巻の読誦をなし遂げた宝暦11年を機会に庚申塔を造立したのであろう。

参考までに、瑞穂町高根・福泉寺にある年不明塔(明和年間か)は青面金剛の板駒型塔で、 塔には「奉納経秩父坂東二世安楽」の銘を刻んでいる。

また八王子市上川町・田守路傍にある文政3年(1820)塔は、主銘が「庚申塔」で「光明真言百万遍」の銘がある。

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