庚申塔物語

他の信仰との交流

他の信仰との交流

青梅市内の場合は、庚申塔面に現れた他の信仰との交流で最も多いのが寒念佛信仰である。 河辺町の元禄4年(1961)塔と駒木町の嘉永2年(1849)塔には「寒念佛」、 青梅・天ケ瀬の元文3年(1738)塔と富岡の明和2年(1765)塔には「寒念佛供養」とある。

念佛講との交流もみられ、青梅・天ケ瀬の文政2年(1819)塔に「天ケ瀬田向念佛講中」の施主銘が刻まれている。 日向和田の文化1年(1809)塔にある「善女講中」は、女念佛講中かもしれない。

多岐にわたる交流には、藤橋の寛政5年(1793)塔に「石橋七ケ所建立供養」と一緒に「願主念佛講中 助力女念佛講中」、 勝沼の文化5年(1808)塔の「石橋供養」と「寒念佛 助力念佛 講中」というのがある。

このように他の信仰との交流を示す庚申塔は、多摩地方にみられる。 この場合には、青梅市の例で示した以外の信仰、例えば月待信仰や地神信仰とも交流しているので、 それぞれの信仰別にみるとしよう。

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