庚申塔物語

地神信仰と庚申塔

地神信仰と庚申塔

多摩地方における地神塔の分布は、相模に接する町田市を中心にその周辺にみられる。 立川市と檜原村にある各1基は例外的なものといえよう。 地神講と交流があったことを示す庚申塔としては、次の2基があげられる。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる地神信仰と庚申塔
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1嘉永6年1853(文字)柱状型町田市野津田町綾部堅牢地神
2慶応3年1867(文字)柱状型多摩市東寺方 杉田家地神塔

1の嘉永6年塔は、柱状型の3面に「青面金剛」「堅牢地神」「地蔵薩〓」の主銘を刻む。

2の慶応3年塔は、正面に「庚申塔」、側面に「地神塔」とある。 この2基の交流は、多摩地方の地神塔の分布と呼応した傾向といえる。

こうした塔と同類なのが、日の出町大久野・玉の内にある寛政10年(1798)塔で、 自然石に「三寳荒神」「毘沙門」「庚申塔」と3行に併記している。

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