島田實さんは、多摩石仏の会創立メンバーの1人で創世期の事務局を担当され、八代恒治さんの次 の第2代目の会長を務められた。昭和42年2月3日付けの毎日新聞多摩版の記事には
すでに千体を調査
八王子市立恩方中、島田実、同六中、植松森一、同由井中、 川端信一の三先生が中心になってつくっている社会科研究グループは、 昨年四月から八王子市内の野ぼとけ、石碑などの記録を集めている。 もう千体を調べたが、人づてに場所を聞いて調べに行っても、 そのものずばりの場所にある野ぼとけは少なく、あちこちに移されたり、 こわされてているという 八王子市内にもまだ未発見のもがあるはずだが、 所在のわかった千体については、信仰の対象別に分類したり形、古さなどから製作年月日を調べ、 貴重なものは近く完成する市の郷土館に保存してもらうことにしている。
と、島田さんが恩方中学の勤務だった当時を伝えている。この3人の中学の先生に瀬沼和重さんや縣 敏夫さんが加わって『八王子市石造遺物総合調査報告書』をまとめ、昭和44年に八王子市教育委員 会から発行された。
庚申に関しては、島田さんが『八王子西部の庚申塔』と『庚申掛仏について』を私家版の孔版印刷 で昭和42年に発行している。『野仏』第2集(昭和45年刊)に「馬頭観音と庚申塔」、第6集(昭 和49年刊)に「小田野の庚申塔」を発表された。