多摩地方には1,300基を越す庚申塔が各地に造立されている。 この中で最古の庚申塔と目されるのは、次の3基である。 [表1]参照
No. | 年銘 | 西暦 | 中尊 | 塔形 | 所在地 | 備考 |
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1 | 明暦2年 | 1656 | -- | 層塔 | 調布市深大寺元町2 | ニ鶏ニ猿 |
2 | 寛文2年 | 1662 | 地蔵菩薩 | 光背型 | 狛江市岩戸北4 慶岸寺 | |
3 | 年不明 | -- | 不明 | 不明 | 町田市相原町御殿峠旧道 | 上欠 |
造立年銘が明らかなもので多摩地方現存最古の庚申塔は、1の明暦2年塔である。 この層塔は、分布から考えて群馬県より移入されたと考えられるから、多摩地方の塔とはいいがたい。 また3の年不明塔は、『町田市の文化財 第三集』によると、 30年前には「承応」の年号が判読できたというが現在これが確認できないので、 在銘最古の庚申塔は2の寛文2年塔に譲る。
2の寛文2年塔は、地蔵を主尊としたもので、「奉造立庚申之歳奉供養為二世安楽」と 「寛文二壬寅年二月十日 大願慶岸寺 施主岩戸村八人」の銘文を刻んでいる。 これに続いては、昭島市拝島拝島町1の普明寺の寛文2年塔もあるが、 目黒区内から移入されたものである。