庚申塔物語

雑型の庚申塔

雑型の庚申塔

通常の庚申塔は、板碑型・光背型・板駒型・笠付型・駒型・柱状型・自然石の7種に分類できる。 しかし中には、その分類に当てはまらない塔もみられる。そうした分類外の塔を「雑型」と呼んでいる。 多摩地方でこの種の塔をあげると、次の1基である。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる雑型の庚申塔
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1文化9年1811青面金剛雑型青梅市千ケ瀬 宗建寺

1の文化9年塔は、全国的にみても珍しい塔形をしており、通常の塔形分類には適合しない。 三猿を浮彫りした台石の上にドラムを置いた状態を想像していただければよいだろう。 表の周りの部分に丸い縁取りをして、その中に日月・青面金剛・2鬼・ニ鶏を浮彫りしている。 台石の着衣帯冠して扇子で塞目・塞耳・塞口した三猿と共に、細かな部分まで丁寧に彫刻している。

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