庚申塔物語

手洗鉢と鳥居など

手洗鉢と鳥居など

神社や寺院に庚申講が奉納した石造物がみられ、庚申堂や庚申塔に供えられた石造物もある。 こうした石造物で多摩地方を廻って眼についたものを次に掲げる。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる庚申塔に供えられた石造物
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
明治34年1901--手洗鉢稲城市大丸 庚申堂奉納
大正1年1912--手洗鉢稲城市矢野口 庚申堂奉納
大正9年1920--手洗鉢調布市柴崎町2稲荷神社庚申講 
昭和18年1943--鳥居稲城市大丸 庚申堂庚申講
昭和43年1958--鳥居稲城市大丸 庚申堂氏子中
昭和9年1834--線香立稲城市大丸 庚申堂三猿
年不明----線香立立川市錦町6 庚申祠ニ猿

寺社に奉納された手洗鉢の中には、稀に庚申講が奉納したものがみられる。 また庚申堂に奉納された手洗鉢があり、多摩地方には「奉納」銘の参の明治34年手洗鉢、 「奉納」とある参の大正1年手洗鉢、「奉納 庚申講中」銘が刻まれた参の大正9年洗鉢がある。

東大和市清水の享保13年塔を安置する小祠や東村山市町3−36の猿田彦神社(宝暦3年塔を安置)などには、 木製の鳥居がみられるが、庚申塔を祀る祠堂に石製の鳥居を奉納するところがある。 参の昭和12年鳥居には「庚申講」、参の昭和43年鳥居には「氏子中」の銘がみられる。

庚申堂や庚申塔に奉納された線香立の中には、猿の像を浮彫りする例がある。 参の昭和9年線香立には「奉納」の銘と三猿、参の昭和43年線香立には「奉納」の銘とニ猿が浮彫りされている。

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