庚申塔物語

バンザイ型青面

バンザイ型青面

胸前の第1手が合掌し、上方の第2手に日月を捧げ、下方の第3手に弓と矢を持つ合掌6手を「バンザイ型青面金剛」と呼んでいる。 この種の青面金剛は、腕の形がH形かそれに近い形をしている。 多摩地方では、南多摩地方に多くみられ、多摩川北岸の北多摩地方や西多摩地方では少ない形式である。 平成9年5月18日に行った多摩石仏の会5月例会で廻った八王子市由木地区にみられたバンザイ型青面金剛をあげると次のように、 この日だけで5基をみた。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられるバンザイ型青面
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1宝永7年1710青面金剛笠付型八王子市大塚 八幡神社
2享保3年1718青面金剛柱状型八王子市松木 館跡入口
3宝暦8年1758青面金剛笠付型八王子市殿ケ谷 薬師堂
4天明2年1782青面金剛笠付型八王子市大塚 八幡神社
5昭和61年1986青面金剛笠付型八王子市大塚 八幡神社

1の宝永7年塔は、右側面に「奉建立庚申講之結衆」とある。 2の享保3年塔は3面の下部に猿を配し、右側面に「奉勧請庚申塔供養」が刻まれている。 3の宝暦8年塔は下部に三猿を配し、右側面に「奉納庚申供養塔」の銘文がある。 4の天明2年塔は、右側面に「奉造立庚申供養塔」とあり、三猿が台石にある。 5の昭和61年塔は、裏面に「昭和六十一年四月吉日 氏子中」とある。

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