庚申塔物語

六字名号の庚申塔

六字名号の庚申塔

日蓮宗では「南無妙法蓮華経」の題目であるが、これに対して浄土教では「南無阿弥陀仏」の六字の名号を唱える。 多摩地方で庚申塔の塔面に六字名号を刻んだものは、次のような塔がみられる。 [表1]参照

表1.多摩地方にみられる六字名号の塔
No.年銘西暦中尊塔形所在地備考
1寛文5年1665六字名号板碑型武蔵野市吉祥寺 安養寺甲辛供養
2元禄15年1702六地蔵石幢町田市野津田町丸山三猿

1の寛文5年塔は、板碑型塔に「南無阿弥陀佛」の下に「甲辛」「供養」の2行が刻まれたものである。 「甲辛」は庚申を表す。

2の元禄15年塔は、六地蔵と三猿を浮彫りする単制石幢に 「南無阿弥陀佛 奉造立地蔵尊為二世安楽 念佛講中拾七人 庚申講中六人」の銘文が誌されている。

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