庚申塔物語

縣敏夫さん

縣敏夫さん

縣敏夫さんは、初期からの多摩石仏の会の会員で、庚申懇話会や史迹と美術東京支部にも所属している。 石井真之助氏(故人)に師事し、板碑の研究や拓本の指導を受けた。 短時間に拓本を仕上げる技術には、眼を見張るものがある。

多摩文化研究会発行の『多摩文化』第20号(昭和43年刊)に「南浅川町大平の庚申懸仏」を書かれてたように大平に遺る庚申懸佛を紹介された。 また『庚申』第52号(昭和43年刊)に八王子市東浅川の「原宿庚申日待帳の周辺」と町田亀一氏の名前で「八王子市東浅川帳に残る庚申日待帳抄」、 第54号(昭和44年刊)の「原宿庚申日待帳の周辺(補遺)」で庚申講の記録を明らかにしている。

『庚申』には、第62号(昭和46年刊)に狛江市の「オリに入った庚申塔の話」や第82号(昭和55年刊)に「小陽・三輪善之助先生 論文著作名目録」、 第98号(平成5年刊)に「横田甲一氏と庚申塔の初期調査」と「横田甲一著作目録」、 第100号(平成7年刊)に「長野県白馬町の正保元年・庚申塔について」・「永禄三年銘の山王二十一社板碑」・「富士宮市寛永廾一年銘庚申塔」の3編を載せている。

『野仏』には、第4集(昭和47年刊)に「板碑と伝説」を書かれているように第11集の「東国の板碑にみる観音信仰」や第12集の「関東地方における地蔵信仰の板碑」などがあるが、 庚申に関しては第26集(平成7年刊)に「石工銘・値段・運搬について」、 第27集(平成6年刊)に「八王子市内の庚申塔再見」と「駒込妙義神社の寛永十九年銘庚申塔」、 第28集(平成9年刊)に「八王子市下恩方 中世庚申供養の宝篋印塔」を発表されている。

最近は、前記の「八王子市内の庚申塔再見」にみられるように、庚申塔にも注意を払って調査されている。 市域が広いために多摩地方でも1番調査の行き届かない八王子市内の塔を集中的に調査しているから、 いずれその成果がみられるだろう。

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